JARECO-Eyecommunication

JARECOニュース―スまとめ(2020/01/10)

市場ならびに市場関連数値

〇売出価格以上での成約割合は少し減っている  (2019/12/30 NARニュース) 2019年下半期住宅取引について、不動産データ会社コアロジック社調査によると、売り出し価格以上で成約したのは全体の15%にとどまっている。61%は売出価格より低い金額での成約で、例えばマイアミでは80%、シカゴでは70%、ヒューストンでは70%と、大都市でそういう傾向が強まっている。また、住宅ローン大手のQuicken社調査によると、住宅所有者が売り出したいと思っている価格と鑑定価格を比較すると、鑑定価格の方が平均0.45%低いという結果が出ている。ほんの少しではあるが、買手が価格交渉するに有利な市場には変化している。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/12/30/most-homes-in-major-cities-are-selling-below-list-price?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1797%7CRealtorMagNews_2019_12_30%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

〇住宅購買能力指数の趨勢 (2019/12/19 NARエコノミストブログ記事) NARデータによると、11月の成約中位価格は$273,600(約3,000万円で、対前年同月比6.2%の上昇となっている。しかし、金利低下や景気好調による所得の安定により、購買能力指数は堅調な状況を保っている。購買能力が一番高いのは中西部で、208.2(平均所得$78,249)、一番低いのは西部で115(平均所得は$85,136)。因みに南部が169.5、北東部も169.5となっている。(*住宅購買能力指数の計算方法:、ある地域の中位所得者が、20%の頭金を支払い25%の毎月ローン支払いを行うとしたら、その地域の中位住宅価格から何倍の価格となる住宅を購入できるかを計算し、それに100をかけた値がその地域の住宅購買能力指数。従って、指数が高ければ高いほど、消費者にとっては住宅を買うのが負担にならないことを意味する。)
 詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/blogs/economists-outlook/housing-affordability-slightly-dips-in-october-2019

〇買取転売は2桁の減少 (2019/12/10 AttomData Solution社データ) 不動産関連データを取り扱うAttomDataによると、2019年第3四半期における住宅買取転売件数は56,566戸で、対前年同期比6.8%減少している。この件数は2014年以来の低さである。主要147都市のうち78%の都市で減少とのこと。十分な利ザヤを得るほどの住宅価格上昇でなくなってきていることが原因と同社は分析している。また、平均的な転売益は$64,900(約700万円)で、投資額に対するリターンは40.6%とのこと。
詳しくはこちら: https://www.attomdata.com/news/market-trends/flipping/attom-data-solutions-q3-2019-u-s-home-flipping-report/

〇大学によるシニア向け住宅開発 (2019/12/23 NARニュース) リタイアしたベビーブーマーが大学へ通いたいというニーズは結構多い。そうした人たち向けに大学が、所有するキャンパス内の土地を住宅開発に供したり、キャンパス近くの土地開発に乗り出すというケースが起きている。ボストンのLasell大学は20年前にキャンパス内にそうした住宅開発をして、大学に通う人たちを受けいれて成功していて、こうした例に続く大学も出てきている。Central Florida大学などは、キャンパスの近くで296戸の住宅開発を現在行ったりもしている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/12/23/why-universities-are-banking-on-senior-housing?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1792%7CRealtorMagNews_2019_12_23%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

建築とリフォーム

〇新築住宅販売は増加傾向 (2019/12/24 ブルームバーグ報道) 新築住宅成約件数はここ3か月間増加していて、昨年11月は719,000戸(年率換算値)となり、3か月間での成約戸数でみると2007年以来の最高値となっている。全米ビルダー協会は、中古住宅の売出在庫不足、低金利、低失業率が要因と分析している。ただ、全体の市場としての売出件数不足により、新築の中位成約価格も$330,800(約3,600万円)まで上昇しており、NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏の分析では、新築と中古合わせて500から600万戸の売出物件が累積してでてこないと、現在の売り物件不足は解決しないとしている。
詳しくはこちら: https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-12-23/u-s-new-home-sales-rise-capping-best-three-months-since-2007

〇グリーンホームを建てる前にエネルギー消費削減を (2019/11/14 リアルターマガジン記事) グリーンホームと名付けてソーラーパネル使用やエネルギー効率良い機器の使用等、いろいろな話題が出るが、それ以前に、基本的なエネルギー消費節約のための発想がもっと大事にされるべきとこの記事は指摘する。そのためにはまず、住宅の気密性ならびに喚起についてしかるべき対策を立て、次に暖房空調、湯沸し、照明などの機器においてその住宅に最も適切なサイズの機器選定をし、その上でソーラーパネルや蓄電池使用などの対策に進むという順序を提案している。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/home-and-design/feature/article/2019/11/building-a-green-home-focus-on-reducing-energy-first?AdobeAnalytics=ed_rid%3D3647337%26om_mid%3D1784%7CMembersEdgeNews_2019_12_19_Agents%26om_ntype%3DMEMBER%27S%20EDGE%20%28news%29

テクノロジー

〇24時間で建築される3Dプリント住宅 (2019/12/11 Curbed.com記事) オースチンのIcon社というテクノロジースタートアップ企業が、メキシコのTabascoという場所で、3Dプリンターを使って24時間で建築できる500平方フィート(約14坪)の住宅を2棟建築した。間取りは2ベッドルーム、リビングルーム、キッチン、浴室となっている。計画では50戸まで、低所得層向けに分譲を行う予定。
実際の住宅の動画はこちらで見ることができる: https://www.curbed.com/2019/12/11/21010360/3d-printed-homes-new-story-icon-echale-mexico

業界動向

〇iBuyerの活動が旺盛な都市はどこか (2019/12/18 Redfinデータ) 売主に対し即座の買取を提案するiBuyerビジネスは、ウォール街資本のバックアップも受けて、住宅価格が上昇する中でOpendoorやOfferPad等の会社により行われている。大手不動産仲介会社でも、RealogyのRealSureサービスのようにiBuyerとしてのプログラムを提供している会社もある。住宅価格上昇を前提としたビジネスモデルだが、都市によっては、全体取引の10%前後がiBuyerの購入というエリアもある。 以下のサイトにて、iBuyerの購入が多い都市のリストを見ることができる。
https://www.redfin.com/blog/what-neighborhoods-are-ibuyers-in/

全体経済その他

〇製造業労働者の賃金は減少を続けている (2019/12/20 労働統計局データ) 長年にわたり製造業に従事する労働者の給与はアメリカのミドルクラスを象徴する存在だったが、今では平均的な民間セクター労働者の給与よりも低くなり、労働統計局によれば象徴としては終わってしまっている。具体的には、1990年代であれば平均給与の1.06倍を製造業の労働者は得ていたが、2018年に至ると0.95倍となった。特に減少が激しい業種として、自動車製造関連従業者は同期間で20%平均給与が下がっている。一方で全てが下がっているわけではなくて、石油・石炭生産関連の従業員は、2018年時点で平均時給が$40.32(約4,400円)で、平均の$22.71(約2,600円)を上回る。
詳しくはこちら: https://www.bls.gov/opub/mlr/2019/article/earnings-of-production-workers-in-manufacturing-1990-2018.htm

〇人口増加率は過去最低を記録 (2019/12/01 国勢調査局データ) 4月のまとめを待たないといけないが、どうやら2010年代は人口増加率がアメリカの歴史上最低を記録する模様である。2010年4月1日から2019年7月1日までの人口増加率は6.3%となっている。現在までのところ、人口増加率が最も低かったのが1930年代の7.3%だったがそれを下回るだろう。1950年代の10年間に18.5%を記録して以降、徐々に増加率は下がってきている。理由は主に2つで、ひとつは出生率の低下、もうひとつは移民純増数の低下である。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/data/tables/time-series/demo/popest/2010s-national-total.html#par_textimage_2011805803