JARECO-Eyecommunication

JARECOカンファレンス2025開催報告

~Opportunities in Japan インバウンドの現状と将来~
一般社団法人日米不動産協力機構(JARECO)は、2025年6月26日(木)、日本大学
経済学部7号館講堂(東京都千代田区)において、「JARECOカンファレンス2025」を開
催しました。本イベントは、国際的な視野から日本の不動産市場の現状と将来を展望
する貴重な機会となり、日米の専門家や関係者を中心に100名以上の参加者が集ま
りました。

米国NAR会長が来日、日米連携への期待高まる
本年は、全米リアルター協会(NAR)2025年会長のケビン・シアーズ氏が来日し、来賓
として特別講演を行いました。シアーズ会長は、現在の米国不動産市場の課題として
「在庫不足」「価格高騰」「金利上昇」を挙げたうえで、既存住宅の取引件数が、過去5
年間の500〜550万件に比べ、400万件ほどに落ち込んでいることを説明した一方、今
後は住宅取得を支援する政策の進展により、「アメリカン・ドリーム」の再興に期待を
寄せていることを話しました。
また、NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏による録画講演では、住宅ローン返
済額の倍増など家計への影響に言及しつつも、堅調な雇用情勢と将来的な需要回
復の見通しを示しました。

基調講演:地理空間情報と都市DXの展望
基調講演では、国土交通省 地理空間情報課の牟田紀彦氏が登壇。「地理空間情報
の利活用と都市・建築DXの推進」をテーマに、スマートシティの実現や不動産分野へ
の応用可能性を具体的な事例とともに紹介しました。地理空間情報の活用が都市の
価値創出や不動産市場の透明性向上に寄与する点に、多くの関心が集まりました。

パネルディスカッション:「海外から見た日本の不動産市場」
後半のパネルディスカッションでは、「海外から見た日本、日本の現状」と題し、全米リ
アルター協会日本・モンゴル大使の西川ノーマン裕子氏、LIXIL不動産ショップYAK代
表取締役の越水亮氏、Top Agent株式会社代表の清水亜紀氏らが登壇。モデレータ
ーはマーク北林氏が務めました。
インバウンド市場の活発化や、海外投資家にとっての日本不動産の魅力、投資対象
の多様化、商習慣の違いなどについて活発な意見交換が行われ、国際不動産取引
における現場のリアルな声が共有されました。

今回のカンファレンスでは、国際的な視点から日本の不動産市場の「今」と「これから
」を多角的に議論することができました。JARECOは今後も、米国NARとの連携を通じ
て、国際不動産市場活性化を目指した活動を展開してまいります。