JARECO-Eyecommunication

JARECOニュースまとめ(vol. 294)

パンデミック収束観測で賃料が上昇

市場ならびに市場関連数値

○8月既存住宅流通戸数は前月比2%減少 (2021/09/22 NAR発表データ) 8月既存住宅流通戸数は、対前月比2%減少して588万戸(年率調整済値)となったが、依然として需要は強い。しかし、ずっと課題となっている売出物件数が伸びない。8月末の売り出し物件在庫数は129万戸で昨年同期比13.4%減っており、現在の流通ペースで2.6か月分の在庫数しかない。こうした中で価格は上昇し、成約中位価格は$356,700(約3,910万円)で、対前年比14.9%の2桁上昇となっている。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/existing-home-sales-recede-2-0-in-august

○ショッピングモール来客数はパンデミック以前に戻った (2021/09/20 NARニュース) この夏ショッピングモールを訪れる人の数がぐっと増えた。1年半にわたるパンデミックで外へ出たいという気持ちが高まったせいと思われる。人流データをまとめるPlacer.aiによると、ショッピングモール訪問者の数は、パンデミック前2019年を0.7%上回るペースとなっている。ただ、モーニングスター社データによるとモールテナント空室率は13.7%と高く、特に衣料品店やデパートの撤退が簡単に戻ってくる可能性は低く、モールは新しい類のテナント発掘をする必要性に迫られている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/09/20/foot-traffic-at-malls-climbs-above-pre-pandemic-levels?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D5297%7CRealtorMagNews_2021_09_20%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

○パンデミック収束観測で賃料が上昇 (2021/09/16 realtor.com記事) 不動産ポータルrealtor.com調査によると、8月の全米賃料中位価格は$1,607(約176,000円)で、対前年同月比11.5%と2桁上昇している。2ベッドルームの中位賃料額上昇率は12.3%、1ベッドルールのそれは11.6%、スタジオタイプで8.3%となっている。全米の上位50大都市のうち、賃料が2桁上昇したのは28都市となっているが、ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、サンノゼといった都市では、IT産業従事者がリモートから戻っていないことがあって、過去最高水準の賃料に戻してはいない。
詳しくはこちら: https://news.move.com/2021-09-16-Realtor-com-R-August-Rental-Report-National-Rent-Growth-Hits-Double-Digits

○アメリカの住宅不足数は524万戸 (2021/09/14 CNBC報道) 2012年1月から2021年6月にかけ、新規構成された世帯数は1,230万世帯である。これに対し、同期間に新築された住宅戸数は700万戸で、530万戸の差がある。現在の新築住宅建築数は1995年以降で最も低いのだが、その限られた建築数の中でも、購入能力が見合う$300,000(約3,300万円)ほどの住宅は32%ほどしかない。3年前の2018年だと、この割合はそれでも43%はあった。NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は、この需給ギャップについて何か根本的な対策なり解決策を考えないと、相当数のアメリカ人の持ち家に対する夢を壊すことになってしまうと指摘している。
詳しくはこちら: https://www.cnbc.com/2021/09/14/america-is-short-more-than-5-million-homes-study-says.html

○別荘住宅への需要は継続するとの予想 (2021/09/18 MarketWatch.com記事) 別荘住宅への需要は昨年たいへん盛んだったが、今後もその趨勢は継続すると、NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は分析している。理由はリモートワークの浸透で、パンデミックが収束傾向とはいえ、人びとは「週5日事務所で働く」という事を受け入れがたく感じ始めており、これが別荘住宅への需要を継続させる要因になると分析している。
詳しくはこちら: https://www.marketwatch.com/story/whats-next-for-the-real-estate-market-we-asked-the-chief-economist-at-the-national-association-of-realtors-11631810573

○ハリケーン襲来地域の住宅保有者意識 (2021/09/13 ValuePenguin記事) 気候変動問題が深刻化するにつれ、ハリケーンが襲来する海岸エリア在住者以外の人等、心配を深める人たちが増えている。洪水、地震、山火事といった自然災害も深刻化しているからだ。ファイナンス情報提供会社ValuePenguin調査によると、災害による被害にあった際に、54%の人はその被害を何とか費用的にカバーする自信をもっていないし、26%の人は、それは無理だとはっきり回答している。そうした場合の金銭的対応ができると回答しているのは12%にとどまる。
詳しくはこちら:https://www.valuepenguin.com/how-prepared-are-americans-for-emergencies https://magazine.realtor/daily-news/2021/09/21/survey-owners-fear-inability-to-recover-from-disaster?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D5312%7CRealtorMagNews_2021_09_21%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

建築とリフォーム

○塗料によってエネルギー消費を抑える (2021/09/16 パデュー大学記事) パデュー大学の科学者が開発した白い塗料により、究極的にはエアコンを無くすことが出来るかもしれないと期待されている。この塗料は、太陽光の98.1%を反射で跳ね返すとされる。屋根の面積1,000平方フィートあたりの冷却効果は10キロワットの電力使用量に匹敵するので、エアコンの効力以上になる。成分に濃縮された硫酸バリウムが入っていて、この成分は写真紙や化粧品に使用されている。現在実用化に向けたプロセスが始まっている。
詳しくはこちら: https://www.purdue.edu/newsroom/releases/2021/Q3/purdue-record-for-the-whitest-paint-appears-in-latest-edition-of-guinness-world-records.html

○高級なプレファブ住宅 (2021/09/21 NARニュース) 「プレファブ」という言葉を聞いた瞬間にトレーラーハウスを想像する人も多く、そうした消費者イメージを払拭しようとプレファブ業界は格闘してきた。その流れのひとつが高級物件をプレファブで建築という動きだ。最新デザインのモジュラーホームと呼ばれる高級プレファブ住宅建築を行っている企業もいて、ニューヨーク市の4 Design社は、7ベッドルーム、9浴室を持つ住宅をニューヨーク州Bridgehamptonで2020年に470万ドル(約5億1000万円)で販売した実績を持つ。プレファブ住宅販売のMethod Homes社は、「通常住宅の建築は16から18か月かかるが、プレファブなら1年以下で完成でき、それが強みだ」としている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/09/21/modular-homes-building-splendor-into-prefabs?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D5312%7CRealtorMagNews_2021_09_21%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

全体経済その他

○アメリカの世帯中位所得 (2021/09/14 国勢調査局データ) 2019年から2020年にかけて、アメリカの世帯中位所得額は2.9%減少し、$67,521(約740万円)だった。この減少率は2011年以降最大の割合である。具体的に見ていくと、正規雇用フルタイムで働いている人に限った中位所得は6.9%増加したのだが、全労働者中位所得を見た場合には1.2%減少し、上記したように世帯合計で見ても2.9%減少している。貧困率は11.4%で、2019年の10%から1.4%増加している。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/newsroom/press-releases/2021/income-poverty-health-insurance-coverage.html

○家計支出内容の大幅な変化 (2021/09/15 労働統計局データ) 昨年度、アメリカの1世帯平均年間支出額は$61,334(約670万円)で、対前年比3.9%減少した。かなりの項目で支出が減っており、旅費交通費が67%、娯楽支出が52%、外食費用が33%、ガソリン代が26%、衣料購入が25%、健康関連支出が19%、アルコール飲料購入が18%、教育支出が13%、それぞれ減少した。逆に増加した項目は、家庭での飲食費用が5%、寄付金が13%、読書(書籍、新聞等)が22%等となっている。
詳しいデータはこちら: https://www.bls.gov/cex/