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JARECOニュースまとめ(vol. 281)

気候変動で水道光熱費が高くなっている

市場ならびに市場関連数値

○住宅価格が最も高い都市 (2021/05/11 NAR発表データ) 第1四半期の住宅価格は、大都市の89%で2桁上昇した。既存住宅成約中位価格は$319,200(約3,500万円)で対前年同期比16.2%上昇し、1989年以降最大の上げ幅となった。住宅ローン金利は史上最低レベルを記録しているにも関わらず、この住宅価格上昇が原因となり、月額ローン支払中位金額は昨年同期の$995から$1,067(約116,000円)へと上昇し、買主の懐を圧迫している。住宅成約中位価格が最も高い都市は、サンノゼが$1,500,000(約1億6000万円)、サンフランシスコが$1,200,000(約1億3200万円)、アナハイムが$1,000,000(約1億①000万円)等と並んでいる。
全米各都市の住宅価格は下記サイトの地図にて見ることができる: https://www.nar.realtor/research-and-statistics/housing-statistics/metropolitan-median-area-prices-and-affordability

○今はバブルかどうかの論戦 (2021/05/06 NARニュース) 過熱する住宅不動産市場についてバブルではないかとの懸念は増し、エコノミスト間での議論も増している。モルガンスタンレーのストラテジストも、NARのエコノミストも、「これはバブルではなく、極端な供給不足による現象」としている。NARのデータでは、2007年経済危機直前の売り出し物件数は400万戸あったのに対し、現在は107万戸しかなく、確かに極端な供給不足ではある。しかし、どんどん上昇していく住宅価格について消費者の懸念は強まるばかりである。既存住宅成約中位価格は、対昨年比$35,000(約390万円)も上昇しているからだ。この上昇がどこまで続くのか、今後も同様のペースで上昇し続けるとは予測しにくい状況で、なだらかな値動きになるのではという観測が強い。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/05/06/this-isn-t-a-bubble?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4536%7CRealtorMagNews_2021_05_06%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

○気候変動で水道光熱費が高くなっている (2021/05/11 NARニュース) 家庭でのエネルギー消費節約システムを提供するSense社調査によると、熱波、山火事、竜巻、極寒気象等がここ1年続いた中で、各世帯の電気代金支払額が増加している。増加する電気代金を抑えるために、48%の世帯では、冷暖房、空調、換気、断熱システム等に何らかの改善を考慮している。アメリカ海洋大気庁データによると、気候変動が引き起こす損害額は、過去41年間の平均が年間457億ドル(約5兆円)だったものが、昨年2020年は950億ドル(約10.5兆円)と突出して高くなった。電気代金の23%は、電気製品をつけっぱなしにしている電気代であるが、電気製品を使用しない際に電源をオフにしておくことを行っている人は44%しかいない。スマートタイマーを設営することだけでも結構な電気代節約につながる。ヒートポンプを使用した家電製品を使用するのも節電に大きく貢献する。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/05/11/study-extreme-weather-causing-higher-utility-bills?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4567%7CRealtorMagNews_2021_05_11%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

建築とリフォーム

○DoItYoursefの能力が落ちている (2021/05/11 NARニュース) 住宅性能保証商品を販売しているCinchホームサービス社調査によると、住宅の修繕を自分で行おうとして失敗した場合、ロスした金額は$184.13(約2万円)だった。修繕工事がうまくいかず、ロスした費用が一番高かったのはミレニアル世代で$220.50(約24,000円)一番少なかったのはベビーブーマー世代で$127.10(約14,000円)となっている。自分で修理を試みたが失敗している工事が多い部位は、バスルーム、キッチン、庭いじりの順番となっている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/05/11/worst-diy-home-blunders-over-the-past-year?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4567%7CRealtorMagNews_2021_05_11%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

政策

○バイデン政権の譲渡益税繰延税制変更提案 (2021/05/07 NARニュース) 投資不動産所有者は、物件売却時の売却益が出た場合、その益を同種の不動産購入に充てれば、キャピタルゲイン税を繰り延べできるという、いわゆる「1031エクスチェンジ規定」が内国歳入庁にはある。バイデン大統領はこの買換え税制について、繰り延べられる金額を$500,000(約5,500万円)上限にするという法案を議会へ提出すると発表した。大統領は選挙キャンペーン中からこの政策は発表していたが、これに対しNARは反対意見を表明している。反対の根拠は、繰越金額が抑制されて投資が減ることによる、雇用創出効果の減少である。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/05/07/nar-counters-biden-1031-proposal?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4549%7CRealtorMagNews_2021_05_07%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

テクノロジー

○パンデミックでサイバー犯罪増加 (2021/05/11 リアルターマガジン記事) パンデミックにより家でのネット使用が劇的に増える中、昨年度のサイバー犯罪も劇的に増えた。FBI報告によると、2019年の467,000件、被害総額35億ドル(約3,810億円)が、昨年は792,000件、被害総額42億ドル(約4,580億円)へと増えている。Eメール情報の不正使用、本人なりすましによる情報不正利用などが多いが、不動産業者の場合はSNS等での投稿も含めかなりの情報がネット上に出ているので、悪用されるケースも多い。こうした点、気をつけてネットでの作業を続けるべき。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/05/11/how-the-pandemic-spurred-cybercrime?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4567%7CRealtorMagNews_2021_05_11%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

業界動向

○仲介業者から消費者向けのインセンティブ (2021/05/06 リアルターマガジン記事) 売出物件が極度に不足する中、仲介業者が消費者向けにいろいろなインセンティブ提供を行っている。複数不動産FC本部を保有するリアロジーは、アメリカン航空のマイレージプログラムとタイアップし、住宅の売却ないし購入$10,000(約110万円)毎に2,000マイルを提供するキャンペーンを開始している。あるいはRealtyOneでは、成約客に庭木1本を提供するというキャンペーンを実施中。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/05/06/as-competitiontightens-brokerages-offer-consumer-incentives?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4536%7CRealtorMagNews_2021_05_06%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

○NAR会員の実態調査 (2021/03/30 NARレポート) 20年前のNAR会員構成をみると、非白人は10%しかいなかった。これが現在は24%へと増えて、NARが目指す多様性へ前進している。会員が仲介業のメリットとして挙げるのは、柔軟な労働時間、家族を助けるやりがい、人間関係のビジネスであること。中位従業期間は10年間、年間中位取扱件数は白人が7件、アジア系が5件、黒人とヒスパニックが4件。年間中位所得は、白人が最も高く$49,400、黒人が最も低く$16,700となっている。
レポートはこちらからダウンロードできる: https://cdn.nar.realtor/sites/default/files/documents/2021-career-choices-in-real-estate-through-the-lens-of-gender-race-and-sexual-orientation-03-30-2021.pdf

全体経済その他

○人口の70%は最低1回ワクチン接種済 (2021/05/05 国勢調査局発表) 4月第2周末時点で、アメリカ人の70%は少なくとも1回の新型コロナウィルスワクチン接種を受けた。1か月前は47%だったので、23%が1か月間で積み増されたが、この多くは18歳から24歳の若者である。19%だったものが53%まで増えた。年齢が増えるにつれて接種率は高く、65歳以上は88%となっている。 接種率が広がるにつれて、「ワクチンはうちたくない」という人の割合が減っており、3月は3,900万人がそう言っていたのが、4月調査では2,900万人へと減っている。ただ、「絶対にうたない」と言っている人に限ると、1,800万人である。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/data/tables/2021/demo/hhp/hhp28.html

○出生者数は継続して減少 (2021/05/05 アメリカ疾病予防センター発表) 2020年のアメリカ出生者数は3,605,201人となり、1979年以降では最低数値となった。対前年比では143,000人減っている。女性1人あたりの出生者数が減少傾向であるのに加え、パンデミックが原因とみられる。というのは、昨年の前半6か月の数値は対前年比2%減だったのが、後半6か月は8%減となっているからである。なお、出生者数の史上最高値は、2007年の4,316,000人である。
詳しくはこちら: https://www.cdc.gov/nchs/nvss/births.htm