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JARECOニュースまとめ(vol. 279)

既存住宅中位価格は過去最高値

市場ならびに市場関連数値

○既存住宅中位価格は過去最高値 (2021/04/22 NAR発表データ) 3月既存住宅流通戸数は対前月比3.7%減の601万戸となったが、対前年同月比では12.3%増となっている。売り出し物件数は極めて限られており、仮に多くの物件が売り出されていれば、流通戸数はもっと高いものになったはずとNARでは分析している。成約中位価格は、昨年3月の$280,700(約3,020万円)から17.2%大幅上昇の$329,100(約3,550万円)となり、これで対前年同月比中位成約価格は109か月の連続上昇となる。課題の売り出し物件在庫数は107万戸と、現在の販売ペース2.1か月分と極端に少ない。平均成約期間は18日と、これも極端に短い状態が続いている。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/housing-market-reaches-record-high-home-price-and-gains-in-march

○不足する売り出し物件数は380万戸 (2021/04/16 NARニュース) フレディマック(連邦住宅金融抵当公庫)市場分析によると、現在市場で不足している売出物件数は380万戸となっている。同公庫チーフエコノミスト、サム・カーター氏は、この状態は10年間に渡る新築供給不足が招いた結果であるとしている。確かに住宅ディベロッパーは、2007年から2009年の経済危機後に供給をかなり絞ってきた。最近になって供給量を増やそうとしてはいるが、労働力不足、木材価格の高騰といった諸問題に直面して供給増加をできないでいる。長期的には、毎年110万戸から120万戸の新築供給が年々続いていかないと、現在の供給不足問題は解決せず、住宅価格高騰が収まりそうもない。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/04/16/the-us-is-38-million-homes-short?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4410%7CRealtorMagNews_2021_04_16%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

○差押え件数は増加 (2021/04/15 ATTOM DATA SOLUTIONS社データ) 3月の住宅物件差押え手続きは11,880件で、前月比5%の増加となっている。四半期毎に見た場合、今年度の第1四半期の件数は33,699件で、昨年第4四半期比では9%増加している。政府による差押え猶予措置を申請できる期限が延長され続ける中でのこの増加にて、コロナ禍が収束して猶予措置が無くなった時点で、差押え件数は一挙に増加するのではという懸念を持つ人もいる。
詳しくはこちら: https://www.attomdata.com/news/market-trends/foreclosures/attom-data-solutions-q1-and-march-2021-u-s-foreclosure-market-report/

○グーグル検索数に見られる消費者不安 (2021/04/14 NARニュース) 3月のグーグル検索結果で、以下のような検索問い合わせが最近増えている。「住宅市場が崩壊するのはいつか?」が対前月比24.5倍、「どうして住宅市場はこんなにも過熱しているのか?」が3.5倍等、消費者の不安心理が検索内容に反映している。一方で、NARチーフエコノミストローレンス・ユン氏は、現在の市場はバブルではないとしている。ユン氏が根拠として挙げるのは売り出し物件数の不足で、これが住宅価格高騰を生んでいるのであって、バブルが生じて価格高騰しているのではないとしている。売り出し物件数は現在103万戸で、2007年バブル崩壊前の時点の400万戸の4分の1しかなく、対昨年比で54%も減少し、物件の取り合いから価格高騰が起きているとの分析である。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/04/14/google-searches-reflect-consumers-market-angst?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4394%7CRealtorMagNews_2021_04_14%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

○年間の住宅価格上昇額と給与額 (2021/04/06 Point2Homesデータ) 不動産ポータルPoint2homesが、全米15大都市における年間での住宅価格上昇額と、その都市の中位給与額をまとめたデータを出している。カリフォルニア州サンノゼでは、昨年の住宅価格上昇平均額が$120,000(約1,300万円)で、中位給与額$60,231(約650万円)を$60,000(約650万円)も上回るような都市もある。サンフランシスコ、アナハイム、サンディエゴ等、各都市での住宅価格上昇率と、その年収との差額の表は以下にて見ることができる。
https://www.point2homes.com/news/us-real-estate-news/how-much-your-house-earned-compared-to-you.html

○人種毎の持ち家率 (2021/04/01 国勢調査局データ) 昨年度アメリカ人持ち家率は66.6%で、20年前2000年当時の67.4%を下回っている。しかし人種別に持ち家率を見てみると、この20年間に持ち家率が下がった人種は黒人のみで、白人、ヒスパニック系、アジア系人口については全て上昇している。白人は73.8%が75%に、ヒスパニック系は46.3%が50.1%に、アジア系は52.8%が60.3%と全て上昇しているのに対し、黒人は47.2%だったのが45.3%へと1.9%下がっている。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/housing/hvs/data/ann20ind.html

投資

○戸建賃貸物件購入の3分の1は海外からの投資 (2021/04/15 NARニュース) ウォールストリートジャーナル誌報道によると、従来はアメリカの事業用不動産物件投資を主に行ってきた海外の機関投資家が、数千戸単位でアメリカの賃貸戸建住宅へ投資する動きが強まっている。アトランタ、ラスベガス、フェニックスといった都市の郊外でそうした動きが多く、賃貸住宅投資のうち3分の1は、海外の機関投資家からとの分析もある。先月3月についてみると、ドイツの保険会社AllianzSEが40億ドル(約4,300億円)の賃貸戸建住宅投資、カナダの年金基金が7億ドル(約760億円)を投資して2,000戸の戸建住宅購入、といったような動きが生じている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/04/15/foreign-investors-compete-for-us-suburban-homes?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4401%7CRealtorMagNews_2021_04_15%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

建築とリフォーム

○空室となったホテルや事業用ビルの改装 (2021/04/15 NARニュース) パンデミックにより空室が多いホテルや事業用ビルが多いが、一方で住宅市場は極端な物件不足状態となっている。そうした中、前者を改装し分譲住宅として提供する動きが出ている。いかにもうまく事が運ぶように見えるが、解決すべき課題は多い。ひとつは高騰する建築資材や労働力不足で分譲価格が高くなること、もうひとつは、パンデミックの収束が近いという観測の中で都心のオフィスビルへの回帰の動きがあること。しかし、パンデミック以前でも、老朽化した工場、オフィスビル、デパートを高級分譲マンションにコンバートした事例は多くあり、住宅不足の中、このようなプロジェクトが引き続き登場する余地は大きい。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/04/15/could-vacant-commercial-buildings-be-converted-to-affordable-housing?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4401%7CRealtorMagNews_2021_04_15%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

テクノロジー

〇IT機器使用度合いの拡大 (2021/04/07 ピューリサーチセンター調査) インターネットの拡散と、それを見る機器の使用度合いについて、ピューリサーチセンターは20年以上にわたり調査してきた。ここ10年の推移(2011年から2021年)は以下のようになっている。インターネット使用者割合は79%が93%に増加、スマホでのネット閲覧が35%から85%に増加、家庭のブロードバンド使用率は62%が77%に増加、デスクトップやラップトップPC使用率は75%が77%とほぼ横ばい、タブレットコンピュータ利用は10%が53%に増加となっている。
詳しくはこちら: https://www.pewresearch.org/publications/?formats=fact-sheet&programs=internet-tech

業界動向

○死んではいない既存のマーケティング手法 (2021/04/20 NARニュース) eメール定期送信代行サービスのActivePipe社調査によると、ダイレクトメール(DM)営業は依然として盛んに行われ、41%の不動産営業担当者はDM送付を行っている。その他従来型のマーケティング手法使用率は以下の調査結果となっている。飛び込み営業を継続している営業担当者は10%、売り出しを行いそうな住宅所有者を割り出すアプリを活用する営業担当者は24%、開発業者への営業を行う営業担当者は5%、売主直売り物件(FSBO)向けの営業を行っているのは2%。また、顧客への継続的営業ITツールとして営業担当者が使っているのは、ソーシャルメディア、顧客管理ソフト、定期的なメール送信となっている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/04/20/traditional-real-estate-marketing-holds-firm-despite-pandemic?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4434%7CRealtorMagNews_2021_04_20%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS